脱毛の知識

【医師監修】医療レーザー脱毛の仕組みとは?照射方法やレーザーの種類、毛周期との関係性などについて解説

医療レーザー脱毛とは、レーザーを照射することで気になる箇所の毛を減らしたり、永久脱毛をしたりする施術のことです。「肌にレーザーを当てて大丈夫か」「医療レーザー脱毛でなぜ脱毛ができるのか」といった疑問を持つ方も多いでしょう。

本記事では医療レーザー脱毛の仕組みや、その他の脱毛方法との違いについてくわしく解説します。また医療レーザー脱毛の照射方式やレーザーの種類によってメリット・デメリットが異なるため、本記事で理解を深めて自身に適した脱毛方法を選択してください。

発毛の仕組み

毛は外部から見える毛幹と、肌の内部にあり外から見えない毛根という2つの部分に分けられます。毛根に存在する組織が毛の成長を促進させて発毛をするという仕組みです。

以下に、毛根に存在する3種類の発毛組織とそれぞれの具体的な役割を示しました。

組織名 役割
毛乳頭 発毛に必要な栄養を毛母細胞に送る
毛母細胞 毛乳頭から送られた栄養を元に毛を成長させる
バルジ領域 毛乳頭に発毛の指令を出す

毛細血管を通して毛乳頭から毛母細胞に栄養が送られると、毛母細胞が分裂を開始します。毛母細胞は細胞分裂によって毛根から上方へと増殖し、徐々に太く硬い毛として形成されていくのです。

カミソリや毛抜きで自己処理をしても上記に挙げた発毛組織は残っているため、毛が再び生えてきます。毛の成長を止めるには、いずれかの発毛組織を破壊し、機能を停止させる必要があります。

医療レーザー脱毛とは?

医療レーザー脱毛は、毛の色のもととなるメラニン色素と反応するレーザーを使う脱毛方法です。レーザーがメラニン色素と反応すると、熱が発生します。発生した熱が発毛組織まで伝達されることで発毛組織が破壊され、脱毛が実現するという仕組みです。

医療レーザー脱毛の「発毛組織を破壊する」という工程は医療行為に該当するため、医師や看護師がいる医療機関以外では受けられません。

なお、発毛組織にアプローチする方法は、医療レーザー脱毛の他にニードル脱毛と光脱毛があります。以下では医療レーザー脱毛と他の脱毛方法の違いをくわしく説明します。

ニードル脱毛との違い

医療レーザー脱毛とニードル脱毛は、脱毛の仕組みが全く異なります。ニードル脱毛は毛穴に専用の細い針を挿入し、電気を流して発毛組織を破壊して脱毛をする方法です。

また針や電流が刺激となり、強い痛みが生じやすいという特徴があります。毛を一本ずつ処理するため、広範囲の毛を一度に脱毛することはできません。ほくろから毛が生えている場合など、ピンポイントで脱毛したい箇所がある場合に適している脱毛方法です。

これに対し医療レーザー脱毛は、レーザーによる熱を用いて間接的に発毛組織を破壊する仕組みです。そのためニードル脱毛よりも痛みは小さい傾向にあります。しかし痛みの感じ方や程度には個人差があるため、あくまで参考程度にしてください。

また医療レーザー脱毛は一度の照射で広範囲の発毛組織にアプローチできるため、複数の毛を一度に処理できるのも特徴です。

光脱毛との違い

医療レーザー脱毛と光脱毛は、主に照射出力が異なります。医療レーザー脱毛は発毛組織を破壊するほどの高出力なレーザーを用います。出力が高い分、照射をするときに比較的痛みを感じやすいですが、一度破壊された発毛組織は基本的に再生しないため、永久脱毛ができるのが特徴です。長期的な脱毛効果を期待でき、光脱毛よりも少ない回数で自己処理が楽になったり、長期間肌がツルツルな状態を目指せたりします。

一方で光脱毛はエステサロンや脱毛サロンで受けられる脱毛方法です。レーザーよりも弱い光を照射して、発毛組織にダメージを与える仕組みです。発毛組織を破壊するほどのエネルギーはないため、永久脱毛の効果は期待できません。あくまでも一時的な減毛・抑毛を目指すものであり、自己処理が楽になる状態になるまでの期間は医療レーザー脱毛より長くかかると理解しておきましょう。

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医療レーザー脱毛の仕組み

医療レーザー脱毛の仕組み

医療レーザー脱毛には「熱破壊式」と「蓄熱式」の2つの照射方法があり、レーザーの出力やターゲットとする発毛組織の種類が異なります。

ここからは、熱破壊式と蓄熱式のそれぞれの仕組みやメリット・デメリットを紹介します。自身に適した脱毛方法を選ぶ検討材料として、チェックしてみてください。

熱破壊式の仕組み

熱破壊式は医療レーザー脱毛の中でも、高出力のレーザーを単発で照射するものであり、ショット式とも呼ばれます。毛根にある毛乳頭と毛母細胞を破壊するため、毛が成長できなくなり脱毛ができるという仕組みです。

前述したとおり、毛乳頭は毛母細胞に栄養を送り、毛母細胞は栄養を元に細胞分裂し毛を作り出します。熱破壊式の医療レーザー脱毛で毛乳頭と毛母細胞を一度破壊してしまえば、毛のもととなる毛母細胞は成長できなくなるため、基本的には再び毛が成長することはありません。

熱破壊式のメリット

熱破壊式は、施術後に比較的早いタイミングで脱毛の効果を実感できる点がメリットです。毛根にある発毛組織を破壊する仕組みのため、早ければ施術当日〜数日後には毛が抜け落ち始めます。早めに毛を薄くしたい方は、熱破壊式の医療レーザー脱毛が向いています。

また熱破壊式のレーザーはメラニン色素と反応しやすい仕組みであるため、濃く太い毛と反応しやすいのが特徴です。特にワキやVIOはメラニン色素を多く含んだ濃い毛が密集しやすく、熱破壊式との相性がよいと言えます。剛毛な箇所の脱毛をメインに考えている方は、熱破壊式の医療レーザー脱毛を検討するとよいでしょう。

熱破壊式のデメリット

熱破壊式の医療レーザー脱毛には、その仕組みにより主に3つのデメリットがあります。

  • 照射するときに痛みを感じやすい
  • 色黒の肌や日焼けをした肌には適していない
  • 産毛には効果が出にくい

熱破壊式は毛根にある発毛組織まで熱を伝える必要があるため、照射をするレーザーが高出力でなければなりません。照射をするときに発生する熱により、瞬間的に肌の温度が200〜250度まで上昇します。熱さとともに「輪ゴムで弾かれたような痛み」を感じる方が多いです。ただし痛みの感じ方には個人差があるため、参考程度にしてください。

また色黒な肌や日焼けをした肌には、毛と同様にメラニン色素が多く含まれます。高出力な熱破壊式のレーザーを照射すると、毛だけでなく肌に含まれるメラニン色素にも強く反応し、想定以上の熱が発生するためやけどや炎症を引き起こしかねません。

加えて熱破壊式は、細くメラニン色素が少ない産毛のような毛の脱毛にはあまり向いていません。即効性よりも痛みを抑えることや色素の薄い毛を処理することを重視したい場合は、後述する蓄熱式の医療レーザー脱毛を検討してみましょう。

蓄熱式の仕組み

蓄熱式は熱破壊式よりも低い出力のレーザーを複数回連続的に照射し、徐々に熱を蓄えて発毛組織を破壊する脱毛方法です。毛根の比較的表層に存在するバルジ領域という発毛組織をターゲットとします。前述したとおり、バルジ領域は毛母細胞に栄養を送る毛乳頭に対して、発毛の司令を出す組織です。バルジ領域を破壊すれば毛母細胞が栄養を受け取れなくなるため、間接的に発毛を抑えられる仕組みです。

蓄熱式のメリット

蓄熱式のメリットは、以下の3つが挙げられます。

  • 産毛にも効果を期待できる
  • 照射をするときに痛みを感じにくい
  • 幅広い肌質に対応できる

蓄熱式では熱破壊式のように、毛根に届くほどの熱を発生させる必要はありません。産毛のような細くメラニン色素の少ない毛でも、比較的浅い位置にあるバルジ領域であれば十分熱が伝わります。さらに連射して照射をするため、産毛へアプローチしやすい仕組みでもあります。

また蓄熱式はレーザーの出力が低いため、温度を60〜70度に抑えた照射が可能です。熱破壊式では200〜250度まで上昇するため、蓄熱式は施術を受ける際の痛みを大幅に軽減できるでしょう。加えて熱破壊式よりもメラニン色素との反応が弱いため、肌の状態によりますが、肌が色黒な方や日焼けをしているケースでも施術を受けられるケースが多いです。

蓄熱式のデメリット

蓄熱式のデメリットとして、熱破壊式と比べて即効性に劣る点が挙げられます。蓄熱式は発毛の司令を出すバルジ領域を破壊する仕組みであるため、毛が抜け落ちるまでには多少時間がかかります。毛の全体が薄くなったと実感するまでに、数週間かかることが多いです。

ただし発毛組織を破壊するという点は、蓄熱式も熱破壊式も同じです。毛が抜ける速度が異なるだけで、脱毛の効果には差がありません。

また蓄熱式は産毛に対して効果的ではあるものの、濃く太い毛の脱毛効果は熱破壊式に劣ります。脱毛に即効性を求める方や、剛毛をしっかり処理したい方は、前述の熱破壊式を検討してみてください。

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レーザーの種類

ここまで医療レーザー脱毛の熱破壊式と蓄熱式の違いを説明しました。照射方法の他に、使用するレーザーによっても特徴や効果が異なります。医療レーザー脱毛でよく使われるレーザーは、以下の3種類です。

  • アレキサンドライトレーザー
  • ダイオードレーザー
  • ヤグレーザー

ここからは、それぞれのレーザーの仕組みや特徴、違いなどについて解説します。

アレキサンドライトレーザー

アレキサンドライトレーザーは、医療レーザー脱毛の熱破壊式でよく使われるレーザーです。

レーザーの波長が短いため皮膚の浅い領域に生える産毛の脱毛に向いているのはもちろん、メラニン色素との反応がよいのが特徴です。メラニンに反応しやすいため、濃く太い剛毛に適しています。そのためワキやVIOの脱毛に向いているレーザーです。

一方でメラニン色素に反応しやすい分痛みを感じやすく、色黒肌や日焼けをした肌に強く反応してやけどや炎症を引き起こす恐れがあります。アレキサンドライトレーザーの脱毛機には、痛みを抑える目的で冷却システムの仕組みを搭載しているものもあります。痛みを抑えつつ効率よく剛毛を処理したいなら、冷却システムを搭載したアレキサンドライトレーザーの脱毛機を視野に入れてみましょう。

ダイオードレーザー

ダイオードレーザーは、医療レーザー脱毛の熱破壊式と蓄熱式の両方でよく使用されるレーザーです。

ダイオードレーザーの波長はアレキサンドライトレーザーより少し長く、ヤグレーザーよりも短いです。レーザーが皮膚の中間層まで届き、かつメラニン色素にも適度に反応するため、バランスの取れたレーザーとも言えます。産毛から濃い毛まで幅広い毛質に対して効率よく脱毛可能です。

また、皮膚の深部には熱は伝わらず、熱量自体も多すぎないため比較的痛みが少ないです。もちろん痛みには個人差がありますが、ダイオードレーザーはできるだけ痛みを抑えたい方に向いています。

ヤグレーザー

ヤグレーザーは、熱破壊式の医療レーザー脱毛機でよく使われるレーザーです。3種類のレーザーの中で最も波長が長いため、皮膚の深部まで到達できます。ワキやVIOなど毛根が深い毛に効果的です。

またヤグレーザーはメラニン色素との反応は他と比較すると劣ってしまいますが、その分、色黒な肌や色素沈着をしている箇所にも対応できます。ただし日焼けで肌がかなり黒くなっている場合はヤグレーザーでも対応が難しいケースが多いです。日焼けをしている場合は、事前のカウンセリングで施術を受けられるかどうか相談しましょう。

メラニン色素を多く含んだ肌質の方や、ワキ・VIOを脱毛したい方は、ヤグレーザーも選択肢の一つです。

医療レーザー脱毛と毛周期の関係性

医療レーザー脱毛と毛周期の関係性

医療レーザー脱毛は1回の施術で完了するものではありません。毛周期に合わせて複数回施術を受けることで、ようやく脱毛が完了します。毛周期とはそれぞれの毛が繰り返す以下1〜4のサイクルのことです。

  1. 成長期(成長初期)
  2. 成長後期
  3. 退行期
  4. 休止期

レーザーを照射して脱毛効果を得られるのは、成長初期と成長後期の毛のみです。成長初期と成長後期の毛は、一度の照射時点で全体の約10〜20%しか存在しません。その他約80〜90%の毛は退行期あるいは休止期に入っており、レーザーを照射しても発毛組織の破壊には至りません。

脱毛を完了するには、すべての毛に対して成長初期と成長後期のタイミングでレーザーを照射する必要があります。毛周期のタイミングに合わせて、基本的には1〜3カ月に1回の頻度で、5〜10回の施術を受けるのが効果的です。ただし脱毛効果を感じるまでの施術回数や期間は、個々の毛質や毛量、使用する脱毛機によって異なります。適した施術頻度や回数については、医師や看護師に確認するようにしましょう。

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医療レーザー脱毛の副作用

医療レーザー脱毛は、発毛組織を破壊して根本的に脱毛を実現できる方法です。しかし照射出力は強いため、副作用のリスクも把握しておく必要があります。医療レーザー脱毛でよくある副作用は、以下のとおりです。

副作用 説明
赤み・ヒリヒリ感 照射をしたときの刺激による痛み
毛嚢炎(もうのうえん) 毛穴に細菌が侵入して引き起こされる炎症
やけど レーザーを照射するときに発生する熱によるもの
色素沈着 肌への刺激によるシミ・黒ずみ
増毛・硬毛化 施術後に毛が増加・硬化する現象
※非常にまれだが発生する可能性がある

脱毛機やレーザーの種類と個々の肌質・毛質の相性などにより、副作用の症状や程度には個人差があります。また、脱毛による副作用はあくまで一時的なものであり、時間の経過とともに落ち着くケースが多いです。しかし長期間症状の改善が見られず悪化する場合には、ただちに施術を受けたクリニックで医師の診察を受けてください。

まとめ

医療レーザー脱毛は、レーザーを照射して発毛組織を破壊する仕組みの脱毛方法です。照射方法によって熱破壊式と蓄熱式の2つがあり、さらに3種類のレーザーがあります。施術回数を重ねるごとに毛量が少なくなり、永久脱毛も目指せるでしょう。

「じぶんクリニック」では、熱破壊式と蓄熱式の両方の医療レーザー脱毛機を導入しています。さらにいずれの脱毛機も本記事で紹介した3種類のレーザーを同時に照射できるため、さまざまな毛にも問題なく対応できるでしょう。その中でも「ラシャトリニティプロ」という脱毛機は強い痛みを感じやすい熱破壊式のデメリットを軽減するために、照射と同時に肌を冷却する機能が搭載されているのが特徴です。

施術を行う看護師は豊富な経験を有しており、定期的な研修も受けています。個々の毛質や毛量に合わせて看護師がレーザーの出力を適切に調整してくれるため、痛みに不安な方でも挑戦しやすいです。無料のカウンセリングも実施しているため、医療レーザー脱毛を試してみたい方はぜひ一度予約してみてください。

藤堂 紗織 医師
この記事の監修者
藤堂 紗織 医師
診療科目:美容皮膚科・内科
診療科目:美容皮膚科・内科

医療レーザー脱毛は、気になる箇所の毛を半永久的に生えないようにする技術です。一度発毛組織を破壊すると元の状態に戻せないため、脱毛の施術を受けるかどうかは慎重に検討してください。

毛に含まれるメラニン色素との反応で発毛組織に熱を伝え、破壊することで発毛を抑制するという仕組みを覚えておけば、事前準備や施術する際に気を付けなければならないポイントもより理解しやすくなります。医療レーザー脱毛に関する知識を深め、目的や希望に沿った脱毛プランを立てるとよいでしょう。