脱毛の知識

【医師監修】脱毛前日にやるべき自己処理や押さえておくべきこととは?当日の注意点についても解説

脱毛は施術の前日までに自分で毛の処理をしておく必要があります。また脱毛の前日および当日には気を付けなければならないこともあり、脱毛の期間中はいつもよりもさまざまな点に注意をして生活する必要があります。注意点を知らずに過ごすと、脱毛当日になって施術を受けられない事態になる可能性もゼロではありません。

本記事では、脱毛の施術を問題なく受けられるよう、脱毛前日に行う自己処理の内容や当日までの注意点についてご紹介します。脱毛期間中にどのように過ごせばよいか分からない方は、ぜひ参考にしてください。

脱毛前日にはムダ毛の自己処理をする

医療レーザー脱毛や光脱毛の施術を行う前日は、基本的にはムダ毛の自己処理が必要です。脱毛を受けるクリニックやサロンによっては、自己処理が不要で当日にスタッフに処理をしてもらえる有料メニューがあったり、自分ではできないような箇所については無料で処理してもらえたりする場合があります。しかしいずれの場合でも施術時間が伸びてしまうため、時間を短縮したい方やスケジュールに余裕のない方は自己処理を行っておきましょう。ここからは正しい自己処理の方法について解説します。

毛抜きやワックスの使用はNG

脱毛前の自己処理を行うにはいくつかの方法がありますが、毛抜きやワックスによる自己処理は行わないようにしてください。医療レーザー脱毛や光脱毛の施術は、毛のメラニン色素にレーザーや光が反応し、発生した熱で発毛組織にダメージを与えます。しかし毛抜きやワックスなどでムダ毛を抜く自己処理をすると、メラニン色素が含まれる毛がなくなるためレーザーや光が反応しません。

レーザーや光を照射しても脱毛効果を得られないばかりか、力を加えて毛を引き抜くことで毛根を傷つけたり、肌に付着したワックスを剥がす過程で皮膚が傷ついたりして肌トラブルにつながりやすいです。できる限り以下で説明するような方法で自己処理をしてください。

電気シェーバーなどで自己処理を行う

脱毛前の自己処理では、電気シェーバーを使った方法がおすすめです。カミソリによる自己処理は、刃が直接肌に触れるので肌の角質も削ぎ落としてしまいます。そのため肌が乾燥しやすい上に、刺激によって肌のバリア機能が低下した状態になります。肌トラブルやケガも引き起こしやすいため、推奨されません。電気シェーバーであれば、肌への負担を減らすことができます。

また自己処理による肌ダメージを減らすためにも、シェービングは施術当日ではなく必ず施術を受ける前日に行ってください。

ニードル脱毛の場合はムダ毛を一定の長さにする

ニードル脱毛は毛穴に電流が流れる針を差し込んで、発毛組織を破壊することで脱毛をする施術です。医療レーザー脱毛や光脱毛の場合は施術前日に自己処理を行わなければなりませんが、ニードル脱毛の場合は、施術の際に毛が2〜5mmほど伸びている必要があります。施術時に毛穴の方向を確認したり、毛をつまみながら施術をしたりする必要があるからです。ニードル脱毛を予定している方は、前日ではなく1~2週間ほど前に自己処理をしておきましょう。

【箇所別】自己処理の方法

【箇所別】自己処理の方法

脱毛の施術前はできる限り肌に負荷をかけないようにすることが大切です。ここからは脱毛をする箇所ごとの適切な自己処理方法についてご紹介します。また自己処理をする箇所に関係なく、前後で保湿をする必要がある点も覚えておいてください。

顔の自己処理

顔のムダ毛(産毛)の自己処理をするときは、シェービングを行う前にスチームや蒸しタオルで肌を温めてください。蒸しタオルは、濡らしたタオルを軽く絞ってレンジで30秒から1分ほど温めれば手軽に作れます。温めることで毛穴が広がりやすく、産毛も柔らかくなって剃りやすくなるでしょう。何度もシェーバーを当てる必要がなくなり、肌への負担も抑えられます。

また顔は凹凸があってシェービングしにくい箇所であるため、剃り方も重要です。額や頬、フェイスラインは内から外に向かってシェービングをしてください。それ以外の箇所は上から下に向かってシェービングをするようにしましょう。

体の自己処理

体に生えている毛の自己処理は、毛の流れに沿ってシェービングをしていくようにしましょう。シェービングをした後は肌に微細な傷が付いているので、肌を保護するような保湿剤を塗ってください。傷口から雑菌が入らないよう、湯船につかるのも控えた方がよいです。

背中やえり足(うなじ)などのように、自分では見えにくかったり、手が届かなくてやりにくかったりする箇所もあります。肌を傷つけて怪我や肌トラブルを起こすと、脱毛の施術を受けられなくなる場合があるため無理な自己処理は禁物です。自己処理が困難な箇所は多くの場合、施術当日にクリニックやサロンにシェービングを依頼できます。施術を受けるクリニックやサロンによって有料になる場合もあるので、事前に確認するようにしましょう。

VIOの自己処理

VIOゾーンVIOのアンダーヘアの自己処理では、Vライン・iライン・Oラインそれぞれに気を付けるべきポイントがあります。

Vラインの自己処理では、最初に刃先が鋭くないハサミを使って、長い毛を短く切ってください。大まかで構いません。短く切り終えたら、電気シェーバーを使って少しずつシェービングをしていきます。アンダーヘアが長いままになっていると、電気シェーバーが毛を巻き込んで肌に負担をかけてしまうことがあるので、必ず長さを調節してから使いましょう。

iラインやOラインは、自分で状態を確認しながらシェービングするのが難しい箇所です。床に座り、正面に鏡を置いて確認しながらシェービングを行います。部屋が暗いと影になって見にくいので、部屋の電気をつけて明るくしたり、手元のライトで照らしたりしながら作業をすると剃り残しが発生しにくいでしょう。

アンダーヘアを全く残さない脱毛でも一部残す脱毛でも、デザインに関係なく施術の前にシェービングをする必要があります。

脱毛前に押さえておくべき4つのこと

自己処理の方法以外にも、脱毛の施術を受ける前に押さえておくべきポイントをいくつかご紹介します。事前にしっかりと確認して施術に臨んでください。

保湿を徹底する

脱毛の施術前から日常的に保湿を徹底しておくことが大切です。肌が乾燥した状態で施術を受けると、肌トラブルが起こりやすくなるだけでなく、レーザーや光による痛みを感じやすくなる場合があります。

洗顔ではぬるま湯を使い、肌を擦りすぎないように注意しながら優しく泡を広げて洗い流します。その後、化粧水を塗ってから乳液やクリームで整えてください。体の場合には、全身に広がりやすい保湿ジェルやローション、乳液を使って満遍なく保湿を行いましょう。

VIOゾーンVIOは他の箇所と比べてデリケートなため、肌に優しい製品を選んで使用するようにしましょう。アルコールフリーの製品を選ぶと肌への刺激も減らせます。

日焼けをしない

脱毛の期間中は日焼け対策をすることが非常に大切です。日焼けをした状態の肌では、レーザーや光が毛だけでなく肌のメラニン色素にも反応してしまいます。その結果、肌がやけどしてしまう可能性があるのです。

クリニックやサロンによっては、日焼けをするとやけどのリスクを考慮して施術を断られるケースもあります。日焼けをしないためには、施術の前日はもちろん、日頃から日傘や帽子などを着用したり、定期的に日焼け止めを塗ったりして気を付けることが重要です。

薬の服用を控える

脱毛と薬の服用は一見なにも関係がないように思われますが、薬を使用していると脱毛の施術が受けられないケースがあります。特に解熱鎮痛剤や抗アレルギー薬、抗不安薬などを服用していると、副作用として光過敏症の症状が現れる恐れがあります。強い痛みや肌トラブル、体調の悪化につながることがあるため、多くのケースでは服用中は施術を受けられません。

医療脱毛の場合は、事前のカウンセリングで医師や看護師に薬の服用について確認される場合があります。脱毛の施術前にどうしても薬を服用しなければならない場合や、服用している薬が増えた場合は、担当医に相談することが大切です。

予防接種は避ける

薬と同様に予防接種も脱毛の施術前は避けましょう。予防接種の後は発熱や倦怠感などの症状が見られることもあり、予防接種当日に脱毛の施術を受けると、レーザーや光の照射によって体調が悪化する可能性があります。万が一、体調不良になった場合、予防接種による副作用か、脱毛の照射によるものか判別しにくくなってしまいます。予防接種と脱毛の施術を受ける日は期間を空けるようにしてください。

クリニックやサロン、また予防接種の種類によっても扱いが異なりますが、一般的には予防接種を受けてから3日~1週間程度は脱毛の施術を控えることが推奨されています。

じぶんクリニックでは、コロナワクチンの予防接種とその他の予防接種(インフルエンザワクチンなど)で、脱毛の施術を受けられる期間などが異なります。詳細は以下のリンクから確認できます。予防接種を受ける際には、注意しながら予定を組んでください。

https://jibun-clinic.com/faq/#vaccination

脱毛当日の注意点

脱毛当日の注意点

ここからは脱毛当日に注意点について解説していきます。効果的な施術を受けるためにも、前日までに注意するポイントと併せてご確認ください。

施術当日の保湿は化粧水のみにする

脱毛期間中は、化粧水や乳液、クリームなどによる保湿が大切であることはお伝えしました。しかし、施術を行う当日だけは化粧水のみの保湿にしてください。

乳液やクリームなどの油分が多い保湿剤を塗ると毛穴に詰まって、レーザーや光が毛穴の奥まで届かなくなる恐れがあります。脱毛の効果が薄れてしまう可能性があるため、施術当日は化粧水のみでしっかりと保湿をするようにしてください。

日焼け止めや制汗剤を使用しない

日焼け止めについても、脱毛の施術前日と当日で注意すべき点が異なります。脱毛の施術前日までは日焼け予防のために日焼け止めを塗ることがおすすめです。しかし脱毛の施術当日は、日焼け止めや制汗剤は使用しないようにしてください。日焼け止めや制汗剤の成分が毛穴に入り込んでしまうと脱毛効果を得にくくなる可能性があります。当日は日焼け止めと制汗剤は使用せず、別の方法で日焼け対策や汗対策をして過ごすようにしましょう。

生理中の場合は施術を控える

脱毛の施術当日に生理がきた場合には、施術を控えることが推奨されています。生理中は肌が敏感になりやすく、いつもより痛みを感じやすいです。痛みには個人差もありますが、痛みが強いと照射の出力を下げざるを得なくなり、脱毛の効果が下がるリスクもあります。

また生理中のデリケートな肌は照射の熱によって肌トラブルにつながりやすく、クリニックやサロンのルールで施術を受けられないケースもあるため、生理の周期も気にしながら予約をするようにしましょう。

血行がよくなる行動は控える

脱毛当日に血行がよすぎる状態だと、レーザーや光を照射して発生した熱が治まりにくくなります。やけどや赤みなどの肌トラブルが起こりやすくなるため、当日は静かに過ごす必要があります。

具体的には以下に挙げるような血行を良くする行動を控えてください。

  • 激しい運動
  • 過度な飲酒
  • 入浴
  • サウナ・岩盤浴
  • マッサージ・エステ

上記の他にも体温が上昇しやすい行動全般、当日は避けるようにしましょう。

肌を刺激しにくい服装がおすすめ

脱毛の施術をするときは専用のガウンや紙ショーツに着替えるため、どのような服装でクリニックやサロンに訪れても問題ありません。しかし脱毛の施術を受けた後の肌は非常にデリケートなため、できる限り肌に優しい服を選ぶとよいでしょう。

着脱しにくい服装や締め付けが強い服装、肌をこすったり刺激したりする衣服の着用は避けるのがおすすめです。

まとめ

本記事では脱毛の施術前日に気を付けるべきことから、当日の注意点まで紹介しました。脱毛効果を下げないまま効率よく施術を受けるためにも、事前の準備はしっかりと行ってください。肌へのダメージを少しでも軽減できるようケアを怠らず、万全な状態で当日を迎えましょう。

「じぶんクリニック」では、定期研修を受けた看護師による医療レーザー脱毛を受けられます。自己処理が難しいえり足(うなじ)や背中、腰、ヒップ、Oラインについては手の届く範囲のみを自己処理しておけば、施術当日に看護師が状態を確認し、必要があればシェービングを行います。無理な自己処理で肌を傷つける心配も必要ありません。無料カウンセリングでは、脱毛の施術前日の過ごし方や注意点について相談可能な他、不安な点や疑問点なども質問できます。脱毛に興味がある方はお気軽にカウンセリングを受けてみてください。

藤堂 紗織 医師
この記事の監修者
藤堂 紗織 医師
診療科目:美容皮膚科・内科
診療科目:美容皮膚科・内科

脱毛の前日に事前準備をしなければならないのは、医療レーザー脱毛も光脱毛も同じです。自己処理をするのは手間も時間もかかりますが、施術直前にクリニックやサロンでシェービングを行って施術時間を圧迫してしまわないようにしましょう。できる範囲の自己処理は施術前日に済ませてください。

また自己処理後や脱毛の施術後の肌ケアでは、肌に刺激になるような保湿剤は避けましょう。アルコールの入った化粧水などは、デリケートになっている肌を痛めかねません。どのようなケア商品を使用すべきか迷った際は、施術を予定しているクリニックやサロンに相談してみるとよいでしょう。